◆ 35mmフルサイズ中級機、ライバル機のスペック比較(α900とEOS 5D Mark IIベータ機の実写サンプルも紹介してます)
一昔前は35mmフルサイズのカメラを使いたい、と言うかデジタルカメラでレンズをフルに活かしたいと考えると70万円のEOS-1Dsしか選択肢がなく、そこに彗星のようにと言うかフィルム時代からの写真ハイアマユーザー、特に広角好きのユーザーにとっては救世主のようにして現れたのが先代のEOS
5Dでした。
発売当時としては圧倒的な高感度画質で「キスデジにフルサイズセンサー載せただけ」などとボディ性能の低さを揶揄されながらもベストセラーを記録した名機。
その発売から3年、市場は大きく様変わりし今やフルサイズはキヤノンの専売特許ではなくNikonがハイエンドのD3に続き中級機のD700を投入、ソニーもフラッグシップとはいえ価格帯的には中級機の中に入るα900の発売を控えています。
ここにきて5Dが市場を独占してきたハイアマユーザー向けの35mmフルサイズ一眼レフというジャンルは一気に群雄割拠の時代に突入。
この乱世を生き抜くのは果たしてどの機種なのか?まずは基本的なスペックの比較をしてみたいと思います。画質に関しては実写画像などが出そろってからと言うことで。
| EOS 5D Mark II | Nikon D700 | Sony α900 | |
| 画素数 | 2,110万画素 | 1,210万画素 | 2,460万画素 |
| 連写速度 | 3.9枚/秒 | 5枚/秒 8枚/秒(BG装着時) |
5枚/秒 |
| RAW+JPEGの 連続撮影枚数 |
8枚 | 不明 | 10枚 |
| AFセンサー | 9点+6点アシスト (中央クロス) |
51点(15点クロス) | 9点+10点アシスト (中央デュアルクロス) |
| ファインダー | 98% 0.71倍 | 95% 0.72倍 | 100% 0.74倍 |
| 常用ISO感度 | ISO100〜6,400 | ISO200〜6,400 | ISO200〜3,200 |
| 液晶モニター | 3.0型92万画素 | 3.0型92万画素 | 3.0型92万画素 |
| ライブビュー | 可能(顔認識) | 可能 | 不可 |
| デジタル専用 レンズ装着 |
不可 | 514万画素で可 | 1,200万画素で可 |
| 現状価格 | \270,000前後 | \260,000前後 | \330,000前後 |
| 注目・特徴 | フルHD動画撮影 | 内蔵フラッシュ | ボディ内蔵手ブレ補正 |
各社の考え方は明確に違います。
ボディ性能を重視してきているのはニコンとソニー。プロが使っても申し分ないボディでニコンは高感度を、ソニーは高画素をと戦略を変えてきた感じです。
ファインダー性能ではα900が圧倒的で、D700が内蔵フラッシュを備えていることもあってか視野率の点で少し弱い感はありますが、D3と同等のAFとバッテリーグリップ装着で秒間8枚まで撮れるドライブ性能は大きな魅力です。
キヤノンは相変わらずの「キスデジ並み」と言われそうなボディですが、ファインダー性能は視野率を98%に上げるなど若干の努力の跡が見てとれます。
しかしAFは中央のみがクロスセンサー。アシストセンサーが6点あって計15点と言うのはEOS 50Dなどより多いのですが、50Dのクラスは今は9点全点がクロスセンサー。
どちらが良いのかは使い方にもよるかと思いますが、1D系の45点やD700の51点とは言わないまでも9点クロス+アシスト6点とかにはできなかったのでしょうか?
そしてレリーズラグも「このクラスのカメラとは思えない」と批判が強かった5Dの0.75msとほとんど変わらない0.73msらしいのでD700の0.45msとは比べるべくもなく。。。
EOS 5D Mark IIがライバル2機に対して有利と言えるのはフルHD動画の撮影ができることと、ライブビューで顔認識などが使える事など。どちらかと言うとこの方がソニーっぽい?(笑)
ただ、このクラスのカメラのユーザー層を考えるとそのどちらも大きなメリットになるとは考え辛いので、何を強みとして売って行くのかは難しいところでしょう。
実売価格については面白い動きが見られます。
EOS 5D Mark IIの発表があってわずか数日で予想外にと言うか、やはり引っ張り過ぎたがために期待が大きく膨らみ過ぎて落胆したユーザーが多いせいなのか、予約価格の段階で一気に26万円台まで下がっています。
D700の場合は29〜30万円スタートで26万円まで下がったのは発売後1ヶ月を過ぎた頃だと記憶していますが、EOS 5D Mark IIは発売日前に25万円台まで下がりそうな勢いですね。
α900もまだ発売されていませんが、予約価格の値下がりは数千円と言ったところで、33万円前後をキープしていますからユーザーと言うよりも小売店は敏感だと言うことでしょうか?
おそらく小売店としては、新型で画素数が多くても「D700と同価格以下でなければ売れない」という判断をしているのかも知れません。そしてそれは多分正解。
フルHD動画が撮れる事なんてこのクラスのカメラを購入するユーザーにとって大きな購買意欲に繋がるとは思えませんし、高画素と言うだけならソニーのα900がファインダー性能も断トツだし、高感度ならD700と同等だとしてもこちらの方がAFや連写速度、レリーズラグなどを含めたトータルバランスで優れていると思うユーザーも少なくないでしょう。
私のようにキヤノンレンズの資産がある人ならいざ知らず、デジタル専用レンズしかもっておらず、「フルサイズ機購入時にはレンズも一緒に」と考えているユーザーにはマウントも関係無い(おまけに5D2はクロップすらできない)ので、尚更ライバル機との価格バランスが重視されます。これは完全なキヤノンの戦略ミスのような気がしますが^_^;
しかししかぁ〜し、↓のサイトを見て下さい。
■EOS 5D Mark IIベータ機 実写画像サンプル(英語)
このサイトのサンプルを見る限りでは、EOS 5D Mark IIの高感度画質はNikonのD3/D700に迫るものがあります。
もちろん高画素故に高感度時のノイズ潰しの影響でディティール低下が著しい部分も目立ち、特に少しだけピントの合っていないような部分では暈け方が自然でなく汚い印象になってしまうなどの「高画素にしている意味がないじゃないか」と言いたくなる部分もありますが、2,110万画素でこれだけの画質を出してきたことには驚きです。
実際に使用してみないと何とも言えませんが、感度を上げても色調の変化は少ないようなので(RAWベースでどうかは微妙ですが)これならかなり使えそう。
因みにα900のものもあります。
■Sony α900 実写画像サンプル(英語)
単純に比較はできないと思いますが、ISO1,600くらいになるとD700やEOS 5D Mark IIとはかなり差が出てくるように感じます。
ボディはもう少し頑張って欲しいですが「ある程度の高感度で高画素で撮りたい」というのならEOS 5D Mark IIはかなり(画素数と感度の)バランスが良いカメラなのかも知れません。
ただ個人的にはやはりEOS50Dと同じ1,510万画素で良かったので、もう1段から2段分の感度アップをして欲しかった。「D700に迫る」のではなく「完全に超える」くらいに。
今使っている40Dと比べると、感覚的に1.5段分くらい(2段は良くなってないかなと言う程度)は良くなっている感じなので、50Dの時に感じた「1段分弱くらいは良くなっているのかな?」という印象よりはかなり高印象なのですが、「ISO3,200を常用できる?」と聞かれると「う〜ん、ちょっと躊躇するなぁ」と言うのが正直なところで、当初期待したよりはやはり1〜2段分は低いので「35mm判対応レンズを活かしきれる」のと2/3段くらい高感度に強いってだけで50Dとの価格差を出すメリットがあるのか、これは微妙なところ。
連写速度も連続撮影枚数も低くなってしまうし。
あと、色調の変化とノイズ感やディティールに関しては心配していたほどの低画質ではなかったのですが、高感度時のダイナミックレンジ、諧調性に関しては未知数。
そして私がEOS 5D Mark IIを購入するかどうかと言う判断。
実はこれ、買っても良いかな?という考えに傾いてきています。
「これだけ文句言っておいて何だよ!」とお叱りを受けそうですが、実売価格が予想以上に早く下がりそうで、20万円に近付けば実質的には以前言っていたEOS
4D(7Dの下位機種と噂されていた)と同じ事になるわけで、画素数が多過ぎると言うこと以外に悲観する部分が無くなるんですね。簡単に言えば30万では買う気が全くしなかったけど20万円台前半くらいなら我慢して使えるスペックじゃね?と言うこと(笑)
AFやレリーズラグにほとんど変化がなかったのは辛いですが、それもその程度の価格まで下がってくるのであれば「まぁまぁまぁ」と言った感じ。
ライバル機のスペック比較と言いつつ、ついつい5D2の話題が中心になってしまいましたが、このライバル3機種を選ぶならどれを選ぶのかと聞かれれば、、、
もちろんレンズ資産などを関係無く考えての話ですが私が選ぶのはD700ですね。
25万円以上という代金を支払うのであれば、やはりしっかりとしたボディ性能が欲しいと言うのが第一にあります。α900は私の使い向きからすると高感度が弱過ぎる。
と言うことで私にジャストフィットするのはD700のようなカメラだと思いますが、その他の2機種も戦略は違うものの良いカメラだと思います。
高感度に強くてシッカリとしたボディが欲しいのであればD700、高感度よりも高画素が必要でシッカリとしたボディとファインダーが欲しいのであればα900、ボディにはそんなに拘らないのである程度高感度に強くて高画素のカメラが欲しいのであればEOS
5D Mark IIと、レンズ資産のことを考えずにカメラを選べるユーザーには選択肢が広がって楽しい状況でしょうね。
まぁEFレンズを揃えてしまっている私にはもどかしい状況なわけですが(´_`ゞ
しかし前述のようにEOS 5D Mark IIの値下がりは予想以上に速そうなので、早い時期に23〜24万円くらいになるのであればチョット美味しいかも。
これにはNikonとSonyに感謝しねければですね(笑)
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