◆ HDRIに挑戦してみる その1・HDRIとは?
皆さんはHDRIという言葉を聞いたことがあるでしょか?
仕事で3DCGもやる私には馴染み深い言葉なのですが、写真の世界ではまだあまり浸透していない言葉ではないかと思います。
HDRIとはHigh Dynamic Range Image(ハイダイナミックレンジイメージ)の略で、CGなどで画像ベースのライティングを行う場合に用いられる画像などに使われる言葉です。
特に写真に限定する場合HDRP(High Dynamic Range Photo・ハイダイナミックレンジフォト)などと呼ばれる場合もあるようで、単にHDRとだけ呼ばれる場合もあります。

このHDRIと言うのは、簡単に言ってしまえばダイナミックレンジが広い画像、つまり通常の画像では飛んでしまうハイライトや潰れてしまう暗部のデータがある画像と言えます。
CGベースで作成する場合はレンダリング設定やライトの設定を変えた画像を数枚書き出して合成して使いますが、写真の場合は露出を変えて撮影した画像数枚を使います。
通常のJPEG画像のような8bit画像ではなく16bitや24bitなどの多階調画像を指して使われている場合も有るようですが、ここではそれらの単なる多階調画像ではなく1画像内に収まる光量の幅が広い画像と言う意味でHDRIを捉えて行きたいと思います。
また、ゲームなどのエフェクトの一つとしてHDRと言うレンズフレアやゴーストをシミュレートするエフェクトを指す場合もありますが、コレは全くの別物ですので混同無きよう。
そして、主に写真の表現手法の一つとしてHDRが用いられる場合はそれらのダイナミックレンジの広いデータ(HDRI)からトーンマッピングした画像を用います。
なので正確に言えば「HDRIに挑戦」ではなく「トーンマッピングに挑戦」ですね。
トーンマッピングというのは通常のディスプレイなどでは現実には出力できないハイダイナミックレンジの画像を出力可能な低ダイナミックレンジにマッピング(変換)する作業のこと。
そう、HDRIはデータとしては広いダイナミックレンジを持っていて、例えばISO100でF32、1/4000秒で適正露出となるハイライトとISO3200でF1.4、30秒で適正露出となるシャドーであっても、それ以上の明暗差があったとしても理論的にはデータとして収容可能です。
が、データとしてあったとしてもそれを出力できる物(媒体)がありません。
現状のディスプレイにしても印刷にしても同じですし、仮に出力できたとしても今度は人間の目の方が付いていきません。そこでトーンマッピングと言う作業が必要になるわけです。
程々に行えばハイライトと暗部のバランスの良い画像が、極端に行えば一風変わった表現が可能になります。因みにネガフィルムを焼き付ける場合にも使われる言葉ですね。

私は仕事柄CG素材として景観作成ソフトなどから書き出してGI(グローバルイルミネーション)用のライティング素材として使用する方法(この場合は多階調の画像を使用)は知っていましたが、写真表現の一つとしても非常に面白そうなので試してみました。
皆さんご存知の通り、カメラの撮像素子(CCDやCMOSなど)は人間の目で見える範囲よりも遥かに狭い範囲の光量差しか許容することができません。
これはビデオカメラやフィルムカメラでも同様なのですが、そもそも人間の目は静止画(この場合、動画も静止画の連続とみなす)で見ておらず、脳内で複数の画像を合成して映像として認識しているので単純に比較はできません。
しかしこのHDRIを使うことで、極端に言えば肉眼を超えた無制限(理論上)の光量差を許容する1枚の画像を生成することが可能になります。
ただしその特性上、動きや変化の大きい被写体には向きません。
少なくともオートブラケット中は殆ど変化の無い被写体が基本であり、もちろん撮影時にも三脚を利用することが最低条件になります。
もちろん複数台のカメラを利用すれば動体や動画にも使える可能性は有りますが、、、
それはそれとして、先ずは基本的な静止物の静止画によるHDRIを試してみます。

上の二つの画像を見比べて下さい。
左はEOS KissデジタルNでRAW撮影しSILKYPIXで普通に現像処理をした画像です。
右がオートブラケットで±1段で撮影した露出違いのショットと3枚でHDRIファイルを作成し、そこからDynamic-Photo HDRと言うソフトでトーンマッピングを行ったものです。
空がノイジーでガラスへの映り込みも目立ったためにその部分はトリミングしてありますが、建物などの影の部分を見ると明らかに違いが出ているのが分かると思います。
これは極端に設定したので、近未来風の独特雰囲気が出ました。HDRフォトにはハイライトとシャドーのバランスをとるような使い方もありますが、私はこの現実離れした強烈なインパクトに惹かれるので、以後はこちらをメインに紹介していくことが多くなるかと思います。
■今回使用した機材
カメラ: Canon EOS KissデジタルN![]()
レンズ: EF24-70mm F2.8L USM![]()
三脚: Manfrotto 190MF3![]()
雲台: Manfrotto 804RC2
(3Way雲台)
モニタ: EIZO ColorEdge CE210W![]()
ソフト: SILKYPIX![]()
ソフト: Dynamic-Photo HDR![]()
ソフト: Adobe Photoshop![]()
※使用した機材を楽天で探せます。
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