◆ Googleの無料画像編集ソフト「Picasa」を使ってみよう -その3 画像編集基本編-
Googleの無料画像編集ソフト「Picasa(ピカサ)」特集の第三段は画像編集編。
ここで言う画像編集とは基本的なレタッチ(補正)と積極的な加工両方の事です。
まだPicasaをゲットしていない人は↓のリンクから入手してください。
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Picasaには画像の回転(角度補正を含む)や切抜き(トリミング)、明るさや色合いの補正と言った簡単な補正機能(レタッチ機能)と、種類は多くないものの積極的に表現を加えるエフェクタが備わっています。
補正機能には画像を解析して自動的に補正してくれる機能も備わっています。
これらの機能を使用するには、ライブラリ画面のサムネイル画像をダブルクリックして↓のようなエディット画面に進みます。
エディット画面の左側には画像編集の機能が収納されたタブ画面があります。
因みにこの画面の上部にある「ライブラリへ戻る」かウインドウの「閉じる」ボタン(☓ボタン)を押すとライブラリ画面へ戻ることができます。
まずは「基本編集」のタブを見てみましょう。
このタブには基本的な画像補正機能が揃っています。
個々の機能については後に紹介したいと思いますが、補正(レタッチ)の場合はまずはこのタブからスタートすることが多くなると思います。
タブの最下部には「戻る」ボタンと「やり直し」ボタンが配置されていて、調整結果が好ましくない場合は簡単に前段階に戻ったり前画像と比較することができます。
タブ画面上部の「調整」をクリックすると調整タブに移動します。
このタブは画像の明るさや色合いについて細かく調整できる機能が集まっています。
エディット画面の右下にはヒストグラムを表示できるボタンもあるので、ヒストグラムの見方が分かる人は表示させておくと分かりやすいでしょう。
ヒストグラムに関しては撮影&フォトレタッチ入門「ヒストグラムを覚えよう」を参考にしてください。
最後のタブは「効果」タブで、俗に「エフェクター」や「フィルター」と呼ばれる種類の機能が集まっています。
各効果は小画像で結果が表示されているので、直感的に扱いやすいと思います。
少し注意したいのは「ソフトフォーカス」と言うフィルターですが、一般的に「ソフトフォーカス」と言って連想するグロー効果はその隣にあり、この「ソフトフォーカス」は中心点からソフトな選択範囲でかかるブラー(暈し)の効果のようです。
なのでサイズを0(一番左)にしておけば通常のブラーフィルタとして使用できます。
画像編集が終了したら画像を書き出します。
メニューの「ファイル」から「フォルダに画像をエクスポート」を選択します。
または右下にあるエクスポートボタンからでもOKです。
↓のようなエクスポート設定の画面が開くので、保存先や画像サイズ、画質(圧縮率)を設定してあげます。
画像サイズは通常は「元のサイズを使用する」でOKですが、WEB用の画像などで小さいサイズにしたい場合は「サイズの変更」を選択してピクセル数を入力します。
このピクセル数の設定はなかなか便利で、縦画像でも横画像でも関係なく「画像の長辺」をそのピクセル数にしてくれるので、煩わしい計算などは必要ありません。
画質に関しては多くの画像の場合80~90%くらいで問題ありませんが、高画質で保存したい場合は100%(低圧縮でファイルサイズ大)に、WEB用などで容量を小さくしたければ0%(高圧縮でファイルサイズ小)に近付けます。
ただ、WEB用でも最低20~30%は欲しいでしょう。
実はこのPicasaはRAW(ロウ・ラウ)画像も扱えるので、簡易なRAW現像ソフトとしても使用可能です。
使い方は簡単で、RAWファイルが保存されているフォルダを読み込めばJPEG画像と同じように表示されるので、明るさやホワイトバランスを調整して書き出し(エクスポート)するだけです。
ただ、Picasaの調整機能は限定的なものですし、PicasaでRAWから変換されたJPEGファイルにはEXIF情報(撮影日時やカメラなどの撮影情報)が付いていないので、あまり常用できるレベルではないかもしれませんが、普段あまりRAWで撮る機会の無い人には良いかもしれません。
RAW現像について詳しくはRAW現像に挑戦(その1)などを参考にしてください。
そしてこの「Picasa」の素晴らしく優れた機能として紹介したいのが「画像を編集しても元画像は保管される」と言う点と、さらに「Picasaを終了しても作業内容が失われない」と言う点です。
実はこの二点の機能に気付くまではこのソフトにさほど注目していなかったのですが、この二点の機能はフリーソフトではなかなかお目にかかることがありません。
特に二つ目のアプリケーションを終了し、再起動した後でも作業内容が保管されていて「戻る」などが効くと言うのは有料ソフトでもあまり見かけませんが、これは限定的な機能しか持ち合わせない点を逆に上手く利用したのだと思います。フォトショップなどで同じ事をしたら保存する作業内容のデータだけで膨大なデータ量になってしまいますからね。
とはいえこれは便利な機能です。特に初心者の人は安心して画像編集ができるでしょう。
Picasaで編集した画像があるフォルダを見てみると、元画像が保管されていることが分かります。
隠しファイルになっているのでフォルダオプションで設定しておかないと見えませんが。
次回は個別の調整機能などについて紹介します。
◆ 「Picasa」を使ってみよう -その1 導入編-
◆ 「Picasa」を使ってみよう -その2 基本編-
◆ 「Picasa」を使ってみよう -その3 画像編集基本編-
◆ 「Picasa」を使ってみよう -その4 基本レタッチ編-
◆ 「Picasa」を使ってみよう -その5 レタッチ編-
◆ 「Picasa」を使ってみよう -その6 エフェクト編-
コメント
picasaのRaw現像について。
質問ありがとうございます。
先ずRAWファイルが記録できるデジカメが必要になりますが、それはお持ちですか?デジタル一眼や一部の高級コンデジなら可能です。
お持ちであればカメラの記録形式の設定でRAWやRAW+JPEGを選んでメモリーカードにRAWファイルを記録して下さい。
それをJPEGファイルと同じようにカードリーダーなどを通してHDDにコピーするだけです。コピーしたフォルダをpicasaに読み込ませれば良いだけです。(詳細は「Picasa」を使ってみよう -その2 基本編-を参照してください)
ただしRAWファイルはJPEGのように共通化されたファイル形式ではない(拡張子もバラバラです)ので、現像ソフト(今回の場合picasa)がその機種のRAWファイルに対応している必要があります。
また、RAW現像というのは汎用性の無いRAWファイル(センサーが受けた光の強弱をそのまま記録したデータファイル)を汎用性のあるJPEGやTIFFなどの形式に書き出すことを指していて、その段階でコントラストや色味、シャープネスなどの調整もはいるのですが、picasaでできるのは本当に基本的な事だけで「現像」というよりも「変換」に近いものです。本当のRAW現像の醍醐味を味わいたければやはり専用のRAW現像ソフト(SILKYPIXなど)が必要になります。
でもpicasaは無料ですし、そういったことを理解したうえで試してみるには良いと思いますよ。難しい事は無いので使い始めればすぐに理解できると思います^^
RAW現像ソフトについて。

実は私はアーティスト(今は絵の制作がメインですが)を目指している者でして、
当サイトの「PicasaにはEXIF情報がついていない」という記述も気になっていました。それで、今回のご返答から、ソフト選びをよく検討した方が良い」と思いました。
実はある方から「Photoshop Elements 9 日本語版 MLP通常版」にもRaw現像機能が付いているとお聞きしましたが、私が調べた限り、それが判りません。
また、私のカメラはNikon D 90 なのですが、「キャプチャー NX2」というソフトもあると教えていただきました。
私がソフトを迷っているもう一つの理由が「金額的」な面です。
お勧めソフトと、利点、難点のアドバイスをお願いいたします。」
ある程度の時期以降のPhotoshopにはCamera RawというRAW現像プラグインが付いています。同じくフォトショシリーズのRAW現像ソフトLightroomなどと比べても作業性や機能面で十分とは言い難いですが、これでRAW現像は一応可能です。
ただ、フルバージョンのCSとElementsでは設定できるパラメーターに差があったように記憶しています。
先ずは自身がRAW現像をしたい理由というか、RAW現像の段階で何がしたいのかを明確にするのが良いと思います。
通常RAWは12~14bitあって諧調性に優れますので、JPEGをベースにするよりも極端な補正に耐えてくれます。
例えばそうした部分にストレスをかける作業だけをRAW現像ソフトにさせて細かい部分はJPEGをベースに仕上げるという考え方もあります。
私の場合、通常はそれらの作業は行き来して行うので、ある程度RAW現像ソフトに作業性と機能が必要になってきます。
もしある程度の作業性と機能も求めるのであればそれなりの投資は必要になります。
そうした部分には目を瞑って、とにかく諧調を残したい作業だけと考えるなら最低限の機能をもったソフトで良いと思います。
どちらにしてもPhotoshopのような選択範囲を作ったりレイヤーを重ねたりするようなソフトは欲しくなると思うので、そういうソフトを一つも持っていないのであればElementsから初めてみるのも良いかも知れませんね。
ただしElementsは基本的に8bit以下での編集が基本となるはずですし、扱えないカラースペースがあったり、トーンカーブはプリセットのみなどの機能制限があったと思うので、最終的にはCSか高機能のRAW現像ソフトが欲しくなるかもしれません。
私はSILKYPIX Developer Studio ProとAdobe Photoshop CS5を使っていますが、どちらかがあれば良いというわけではなく両方ともないと困るソフトです。
後はご自身のやりたい事と目的と予算とを加味して判断して頂くしかないわけですが、一応お勧めのRAW現像ソフトは3万円以下で
Adobe Photoshop Elements 9(1.2万円前後)
Adobe Photoshop Lightroom3(2.8万円前後)
SILKYPIX Developer Studio(DL版1.6万円・Pro DL版2.6万円)
DxO Optics Pro 6 スタンダード版(1.5万円前後)
この辺りでしょうか。
因みにCapture NXもNikonのデジカメだけで創作を行うという前提であれば良いソフトだと思いますが、例えば後々コンパクトなカメラでマイクロフォーサーズとかGRデジを使うとか、そういう予定がないのであればありだと思います。
ご参考になれば^^
たいへん参考になりました。
「先ずは何がしたいのか」を「自分自身で判断していく作業」が今後の私自身に必要なのだと感じました。
何分、「予算を切り詰めなければならない身」ですので、貴サイトのアドバイスをもとに焦ることなく、「良い写真」を表現できるように


本当にありがとうございました。
少しでも参考になってくれたとしたら嬉しいです。
予算の工面は大変ですよね。私も常に妻とのバトルです(笑)
作業効率を考えなければ低予算でも良い機材はたくさんある時代ですので、是非がんばって求めるものを手に入れて下さい^^
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Raw現像に興味をもっているのですが、picasaでできることをこのサイトで初めて知りました。
現像のに仕方に「Raw ファイルが保存されているファイルを読み込めば・・・・」と書かれていますが、「Rawファイルがどこに保存されているのか?」「ファイルの読み込みはどのようにするのか?」がわかりません。
今はまだRaw撮影をしたことがなく、picasaの機能も「画像圧縮」しか使ったことがないので、具体性がありませんが、実際にやってみるとすぐに理解できることなのでしょうか?